銀座 / 未明編集室
銀座 / 未明編集室
「わたしの眼に
目薬でも入れるみたいに
ハミングを刷り込むのよ」
舞台は、戦前から戦中にかけての銀座。
詩を綴りながら静かに暮らしていた純は、1945年の銀座空襲の直前、黒猫とともに忽然と姿を消します。
彼女の面影を追い続ける年老いた夫とその孫娘・野々による対話。ふたりのあいだに交わされる、過去と現在/言葉と沈黙の往復……。
『雨犬』の版画家・柳本史さんと想像家・外間隆史さんとのコラボレーションによる新作。
柳本史さんの新境地とも言える渾身の彫り下ろし版画が言葉では触れられない感情をそっと描き出し、外間隆史さんの文章はまるで塵をあつめて音に変えていくように過ぎ去った時間を美しく拾い上げます。
■初の試みとして英訳の掲載が実現。
松本清張さん、青山七恵さん、滝口悠生さんらの翻訳を手掛ける英国人翻訳家・ジェシー・カークウッド氏によることばの余白に詩が宿るような訳業は「日本語原文よりも感動する(外間談)」ほどの名訳。もうひとつの『G I N Z A』が息づいています。
【HOMEMADE series】
●通常なら埋もれてしまうような些細なアイデアも最小限の単位で具体に転じていく試み。
●共著者ふたりが『雨犬』の次作となる作品の来年1月発表に向けて準備を進めていく中、まったくべつのストーリーが立ち現れ、シンプルなつくりの書籍化を試みようとHOMEMADEの発想が生まれました。
●音楽で言えばシングル盤や、2分にも充たないピアノ曲のように繰り返し楽しむことをめざした小品です。
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『銀座』
版画:柳本 史 Fumi Yanagimoto
文:外間隆史 Takafumi Sotoma
発行所:未明編集室
発行:8月15日
判型:B6変型(『雨犬』と同サイズ)
仕様:中綴じ(32P/オールカラー)+厚紙表紙+カバー(オビ)
版画:11点(表紙含む)
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